山梨県立美術館-前川國男
甲府市にある山梨県立美術館 。設計:前川國男氏。1978年とあるから今から30年前の建設である。堂々とした外観は現在の感覚でも全く古臭さを感じず、極めて美しく丁寧に手入れが為されている。打ち込みタイルと打放コンクリートの列柱、ボーダー、そしてシンプルに型取られた小庇付開口の配置は、目新しさに媚びることのない、落ち着いた、永い未来に向けて朽ち果てる事のない美術館を目指す当時の設計者の意志を感じる。主な展示室は2階にあり、動線計画も王道。数年前に増築棟も増設されているが、正面に見える富士山を見せるピクチャーウインドウのために、建物をあえて反らしている。
この美術館は、ミレーを中心とした、バルビゾン派と呼ばれる作品群を核に、独自の確固たる方針を持ったコレクションがあり、人気が高い。ちなみにバルビゾン派とは、フランス フォンテーヌブローの森のはずれのバルビゾン村に定住し、風景や農民の風俗を描いた画家たちの事で、哀愁ある色やタッチが自分を含めた日本人の琴線に触れる。
金融危機や経済不況など、お金の事ばかり心配している都市快楽主義者(自分のこと)よりも、この絵の様な貧しくても大地と共に生きる農民画家に一種憧れるのは、歳をとってきたせいかも・・・・。それにしても、今から百年程も前に、その日に食べるパンを買う金もない程の貧困に耐え、この様な途方もない作品を造り上げる才能・気合いには、同じ作家の端くれとして最大限の敬意を表すると共に、世界的に有名な美術には、とてつもなく深い人間の限界を思い知る。それに比べ自分は今どれほどの努力をしているのか・・・・・。情報や機能の道具など持ってなくても、気持ちさえあれば遙か遠くへ行ける・・・・超集中して行こう。




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